
とあるジムの正社員、たくやきです。
当記事では、スポーツジムで働く正社員が普段どんな仕事をしているのか?についてまとめています。
「ジムで働くことに興味があるけど、仕事内容が気になる…!」
という方はぜひチェックしてくださいね。
スポーツジムの正社員が行う16の仕事
それではさっそく、私も経験してきた社員の仕事をご紹介していきます。
洗い出したら16コほどありました。
留意点として
- 主に大型店舗が対象(パーソナルジムは対象外)
- 担当制により、ジム内で働く社員がその仕事をやらない場合もあり
- そもそもその仕事が存在しないジムもあり
この3つ。
全てのジムで共通した仕事があるわけではありませんので、そこら辺はご了承ください。
①アルバイトでもできる仕事(接客、レジ業務etc)
スポーツジムと言えど「接客・サービス業」であることには変わりません。
お客となる会員への接客、例えば
- マシンの使い方やトレーニングの仕方を教える
- スタジオやプール、体操教室のレッスン
- レジ業務(物販などの販売)
- フロア清掃
などの業務を行います。
詳しくは別ページでまとめていますので、そちらをご覧ください。


②アルバイトへの指示出し
どちらかというと正社員は①よりもこちらのほうが重要だったりします。
基本アルバイトは受け身な状態(指示を待っている)であることが多いので、正社員はその都度指示を出して動かす役割があります。
正社員自らが接客や清掃をするのも大事なことですが、他にもやるべき重要な仕事がありますから、それこそ人件費をムダにしないためにもアルバイトをうまく動かします。
- 〇〇さんは、ジムでガード(エリア巡回)をお願いします
- □□さんは、ロッカー点検(清掃)に行ってください
- △△さん、あちらの会員さんが困っているようなのでお声がけしましょう
- ☆☆さん、入会のお客様がいらっしゃったので、受付お願いします
挙げだしたらキリがありませんが、円滑にジムの営業をしていくため、様々な角度から見てアルバイトスタッフに指示を出し、自分の時間を作ります。
③入会申込用紙の確認
スポーツジムに入会する方は、まず「入会申込用紙」をはじめとした各書類の記入をします。
また、そのときに対応するスタッフは確認を行いますが、手続き後に改めて正社員もチェックしていきます。
そのときに気づかなかった「記入漏れ」や「誤字脱字」は割と多かったりして、そのまま放置してしまうと後ほど大きなトラブルにもなりがち。
特に、入会申込用紙や銀行口座登録用紙に関しては、100%ミスなく記入をしていただく必要があります。
対応したスタッフだけではなく、第三者であり、業務に対しての意識が高い正社員も確認することでミスをなくすことがポイントです。
ジムによっては、アルバイトだけでチェックを完結させる場合もあり。
④スイミングスクールバスの運転
設備にプールがあるスポーツジムでは、子どものスイミングスクールを実施しています。
となると、その子どもたちの送迎で正社員がバスを運転することもあるでしょう。
お迎えのときは決まったルートで各バス停に停まり、子どもたちを乗せてジムまで向かいます。
各曜日、どのバス停でどの子どもが何時何分に乗車するかはリスト化されているので、例えばバス停に子どもいなかった場合は、ジムのフロントへ連絡を入れて欠席がどうかの確認を行いつつ進みます。
ときには保護者の方と直接電話でやりとりをすることも。
スクール後の送りは、点呼を取った後に出発。
安全運転で子どもたちを返します。
ちなみに、バス(マイクロバス)の運転には中型免許が必要となります。
もし正社員がバスの運転をする場合には、勤務時間中に教習所へ行き、会社の経費で免許を取得することになるでしょう。
一方で大手のスポーツジムなどは運転を業務委託する場合もあります。
別会社の運転手(概ね50代以上の男性が多い)にお願いする形です。
運転が専門の方であれば、事故もなく安全に送迎ができますからね。
⑤スイミングスクールの進級テスト合否結果通知作成
スイミングスクールでは、2か月に1回くらいで「進級テスト」が行われます。
子どもたち一人ひとりの泳ぎをテストして、次の級(帽子)に進めるか進めないかの合否判定を行い、通知を作成するのも正社員の仕事です。
合格の子どもには賞状やバッジを渡したり、不合格の子には具体的にどういう動きをすれば合格できるのかを、ジムで作成したオリジナルカード(成績表)に書いて渡します。
ただし、スイミングスクールは外部のフリーインストラクターも行うため、進級テストや成績表は必ずしも正社員だけで行うわけではありません。
場合によってはアルバイトが判断するときも。
⑥会費の請求業務
スポーツジムは「会員制」であるところがほとんど。
よって、会費を銀行口座から引き落とすための業務が必須となります。
(※毎月たくさんの会員から現金で会費をもらうのは時間がかかる)
ここ最近ではクレジットでの会費清算も増えてきましたが、これも同様に請求処理の対象となります。
進め方については各々ですが、一般的には
- 全会員のリストを出して、「誰が」「いくら払うか」を1人1人確認
- 諸事情により会費をもらわない会員に関しては、口座からお金を引き落とさないようにPCで処理をしておく
- 確認が終わったらPC上で処理の実行
といった流れで行います。
また、実際に口座引き落としが終わった後には「会費が引き落しできなかった会員」のリストが出力されます。
口座にお金が入っていなかったり(資金不足)、そもそも口座の情報が違かったり(口座不備)すると、引き落しができません。
リストに上がった会員へは、電話なり手紙なりで通知。
後日、現金でレジ清算となります。
会費の請求処理は、会員数によってかかる時間が変わります。
早ければ1日・2日で、遅いときは1週間ほどかけて実施します。
⑦代位弁済の請求業務
ジムによってはあったりなかったりする業務の1つです。
なかなか難しそうな言葉ですが、考え方としては割と簡単。
会費の引き落し業務を行っていく段階で、引き落しがまったくできず、かつ会員への連絡もつながらない状態が発生することもあります。
いわゆる「バックレ」
もちろん、引っ越したか何かで本人はジムにも顔を出しません。
ジムではモノのやりとりではなく(物販販売もしますが)、使う・使わせるというサービスですから、どうしても「売る」「買う」の意識が軽薄になってしまうようです。
しかし、それで会費を払わないのは万引きと同じ。
会費を必ず回収するために、「代位弁済」というシステムを利用します。
具体的な流れとしては
- 集金代行業者に依頼をするために、バックレた会員の情報をまとめて提出する
- 承認され次第、本来バックレた会員からもらうはずだった金額を集金代行業者より代わりに払ってもらう
- 集金代行業者が、バックレた会員へ請求書を送付
こんな感じ。
代位弁済業務については、バックレた会員の書類作成が正社員の仕事です。
用紙に必要な情報を記入していくだけなので、10分~1時間くらいで終了します。
尚、ジムによってはバックレを黙認して代位弁済業務を行っていない場合もあります。
⑧備品の発注業務
ジム内には様々な備品があるので、その都度業者やネット販売などを通じて発注をかけます。
ネットで買う場合はポチるだけで届きますが、業者に依頼するときは発注書をFAXしたり、メールを担当の方に送信の上でやりとりをしていきます。
一例を挙げると
- トイレットペーパーやティッシュ、文房具などの用品
- 筋トレマシンのパーツ
- プリンターのトナー(インク)
- 玄関マットや足ふきマット
- シャンプーやボディソープ(お風呂がある施設)
こういったものを発注。
発注そのものはジムにいる社員がやることもあれば、接客に携わらない本部が一括して行うこともあります。
発注そのものは数分で終了します。
⑨備品の買い出し
ある程度の備品は⑦の発注業務で事足りますが、中には「すぐに必要なモノ」も当然出てきます。
緊急性がある備品に関しては、社員が近くのお店に買いにいくことも。
- タイルがはがれてしまって、強力な接着剤がほしい
- 印紙の購入(5万円を超えるお会計に必要な切手)
- トイレットペーパーの発注忘れで、すぐに買いに行く必要がある
こういったときは、お店に直行です。
買い物をするだけなので特に難しいことはありませんが、基本的に正社員が行く場合が多いかと思います。
⑩イベント企画
会員さんにより満足してもらうために、定期的にイベントを行うジムは多いですよね。
通常営業のみだとマンネリ化しやすい側面もありますから、もっとトレーニングが楽しくなるような、もっとジムにきたくなるような特別な催しを考えます。
よくあるイベントとしては
- スタジオイベント(ハロウィンやクリスマスの仮装レッスン)
- 会員限定のビンゴ大会
- ジム外でのバーベキューや飲み会
- プロテインやサプリメントの試飲会
などなど、たくさん。
正社員の立場だと「これやりたい!」というイベントを実現するために、「企画書」や実際にかかる費用などをまとめた「稟議書」を作成。
それを上司や本部に提出して、承認をもらえたら準備にとりかかります。
アルバイトや他の社員も巻き込み、一丸となって顧客満足度の向上を目指していくことになります。
⑪POPや管理表、掲示物などの作成
イベントを行うときにはPOP(ポスター)を、また、その他で新しく管理が必要になる業務ができたときには管理表の作成を行います。
主にワードやエクセル、イラストレーターなどを駆使してそれぞれ必要なものを仕上げていきますが、具体的には
- スタッフやインストラクターのプロフィール写真
- 「お客様の声」に対する回答の用紙
- トイレチェック表
- スタジオレッスンの代行表
これらを始めとした、たくさんの掲示物を作成。
特に難しいことはありませんが、ジムで働く正社員といえど、PCを扱う技術も少々必要になるでしょう。
⑫機器のメンテナンス業務
スポーツジムでは、予想以上に多くの機械が存在します。
また、もちろん不具合がつきものですから、正社員は機械の修繕にも対応をしていくことが求められてきます。
具体例を挙げると…
- 筋トレマシン⇒部品が破損したり、ワイヤーが切れたりする
- ランニングマシン⇒モーターや心拍センサー、足が設置するベルト部分の不具合
- スタジオ⇒音響デッキやスピーカー、スタジオマイクの不具合
- 浴室・プール⇒配管の破損、塩素タンク不具合
- 受付周辺⇒PCの不具合、ネット回線の急な遮断
こんな感じ。
思わず「は?」と口に出してしまうくらい、意味の分からない不具合が発生したりするものです。
もちろん業者に連絡した上で対応してもらうことにはなりますが、一方で夜間や早朝の時間帯はプロの手を借りることはほぼ不可能。
割と大げさに書きましたが…ただ実際はそこまで頻繁に不具合が出るわけではありません。
しかし、機器のメンテナンスが滞りなく行えるように、また例えできないことがあったとしても、最低限応急処置をしてジムの運営ができるようにメンテナンスの類は把握しておくことがポイントです。
⑬シフト作成
大型のスポーツジムでは、ほとんどのところでアルバイトを雇っていますから、月に1回(もしくは2回)シフトを作成します。
作り方やシフトのフォーマットはそれぞれ違ってきますが、アルバイトが持ってきたシフト希望を見ながらパズルを組み立てるようにPCに入力。
途中、どうしても人手が薄い部分が出てきたり、逆に人手が厚すぎてアンバランスになることもあるので、その際は
- シフトに入れる日を増やせるかどうか?(特定の日に出れるか)
- シフトを減らせるかどうか?
- 希望の日にちではないところでも入れるか?
こういったやりとりをアルバイトと行います。
また、最近は健全で効率的な労働を重視する企業が増えてきました。
よって、雇用保険に加入しないアルバイトスタッフのシフトは、週20時間以内に収まっているか?といった点も考慮しながら作成する必要があります。
慣れるまでに時間がかかる作業ですが、アルバイトスタッフからの信頼を得ることができれば…さほど難しい業務ではなくなります。
⑭アルバイトの勤退管理
アルバイトスタッフの管理は、シフトだけでなく勤退…つまり「タイムカード」も含まれます。
お給料に関しては、ジムを運営する会社の本部(主に経理)の業務であることがほとんど。
ジムで働く社員はスタッフ全員分のタイムカードを集めて提出するのみです。
しかし、例えばよく使われる厚紙のタイムカードの場合だと
- 押し忘れで出退勤の時間が打刻されていない
- 誤って他のスタッフのタイムカードに打刻してしまった
などのミスがつきもの。
そのまま何もせずに提出してしまうと正確に給与計算ができないのは明白ですから、1人1人のタイムカードを確認。
ミスがあれば修正をし、正しい情報で経理に渡します。
尚、最近ではICカードの読み込みタイプも増えてきましたが、それを忘れてしまっては結局のところ修正が必要になりますよね。
ミスが起きないよう、アルバイトスタッフに気を遣うのも仕事の1つです。
⑮フリーインストラクターやパーソナルトレーナーの勤退管理
清掃をしたり、マシンの使い方を教えるスタッフとは別で
- スタジオプログラム(レッスン)だけを行う「フリーインストラクター」
- より高度な資格を持っていて、マンツーマン指導のみを行う「パーソナルトレーナー」
のフィー(お給料)管理もあります。
ちなみに時給ではなく…
フリーインストラクターの場合は、1レッスンあたりのフィーとして計算することが多いので「レッスンをやった」という事実があれば計算はスムーズに行えます。
(例:1レッスン=3,000円)
「このインストラクターさんは、今月〇本のレッスンでした」
「だけど、この日とこの日は休んでます」
という集計を経理に提出する流れです。
パーソナルトレーナーも大体同じで、教えた会員1名につき〇〇円という計算です。
集計自体は長くても3時間くらいで終了します。
⑯アルバイトや正社員の求人掲載&面接
ジムで働く人員が不足している場合は、求人情報を載せる必要があります。
広告会社と綿密なやりとりを行って、タウンワークやフリーペーパーに掲載。
また、掲載された内容を見て応募してきた方に対して面接を行い、合否の連絡をするまでが一連の業務となります。
おわりに:ジムの正社員はいろんなことをやってます
全16コの仕事内容を紹介してきました。
スポーツジムで働いているスタッフは、「トレーニングを教える」というイメージがかなり強いと思われがちです。
でもその実態としては、事務作業もメンテナンスも…けっこう幅広く行っているんですよね。
また、この記事で「え…これ全部1人でやるの…?」なんて思われた方もいるでしょうか。
もちろん、数人で分担しますからご安心を。
すべては会員の方が気持ちよくトレーニングするため…
興味が増したときは、ぜひ正社員として働いてみてはいかがでしょうか?
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