「幸せになりたいなぁ…」
漠然とした願いを抱きつつ、たくさんのWebサイトや本を見てきました。
その中で巡り会った偉大な哲学書。
アルトゥール・ショーペンハウアー[1788-1860]
『幸福について』
(※原題『Aphorismen zur Lebensweisheit』の一部)
100年以上もの時を経て、いまだに読まれているこの本。
幸せについて、長い時間をかけて考えたくなります。
この本は一生!!捨てられません!!
そもそも「幸せ」とは、ただの感想にすぎない?
さて、まず最初に考えておきたいこと。
そもそも「幸せ」とはなんだろうか?「不幸」とはなんだろうか?
という疑問です。
で、たしか小林正観さんの本に書いてあったこと(注1)。
「不幸や悲劇は存在しない。そう思う心があるだけだ」と言ったのはシェークスピアでしたが、よく考えてみると「幸福」とか「幸運」とかの事実も存在しない。
「そう思う心」があるだけのように思えます。
また、よくこんなことも聞きます。
自分にとっての幸せが、他の誰かにとっては不幸である。
他の誰かの幸せは、自分にとって不幸である。
だから「幸せ」も「不幸」も、ある状況に対する感想にすぎない。
そのように思います。
そして大前提として、「幸せだ!」とか「不幸だ!」とかモノゴトに執着しない。
目の前の世界にあれこれ意味をつけない!
目の前の現実は、ただの現象なんだ!
という考えが大切なんですね、きっと。
…とは言っても幸せになりたいよ!人間だもの。
そりゃあそうだ。
いくら「モノゴトに意味をつけるな!」と言っても、私たちは人間です。
できることならお金持ちになりたいし、ステキな人と付き合いたい。
人間である以上、どうしたって人生のあちこちに意味をつけてしまうし、感情的に行動します。
そう、世界は感情で動いてるんです。
だから幸せを追いかけるのは別におかしいことじゃない。

この本なかなか面白いですよ
では、私たちが(なるべく不幸を避けて)幸せな人生を送るにはどうすればいいのか?
いかにして幸せだと感じるタイミングを増やせるか?
そこでショーペンハウアーは、『幸福について』の中でこんな風に言っている(注2)。
私たちの幸福にとって、気高い性格、有能な頭脳、楽天的な気質、心根が明るいこと、健康そのものの丈夫な体のような個人的特性にまつわる財宝、つまり「健全なる身体に宿る健全なる精神」が、第一の、最も重要な財宝である。
とくに、心根が明るい(陽気)ことや、健康体であることは絶対に必要。
というか、人としてごくごく当たり前のことが備わっていればOK!らしい。
むしろ「幸福」とは、私たちがイメージするキラキラした状態ではなく…
“不幸ではないこと”みたいな、どっちかと言うと「足元ちゃんと見て生きよう」的なものだったり。
私たちはよく「肩書」や「財産」が幸せに寄与すると考えます。
けれど、実のところ自分の外側に幸福はない。
そんなことも、ショーペンハウアーは本書の中で述べています。
現在はモノやサービスにあふれ、私たちの生活はバグるほど豊かになりました。
でもその結果、どうしても外側に幸せを求めてしまいがち。
- カッコいい車に乗りたい
- 栄えている場所で、広くて快適な家に住みたい
- お金持ちになりたい
- たくさんの異性からモテたい
こんな感じで。
でも、それらを実現して「幸福」かどうかはビミョーなところ。
本田健さんの『ユダヤ人大富豪の教え』という本の内容(注3)を思い出しました。
「成功をうまく忘れることができた人間だけが、幸せに成功できるんだよ。
社会的尊敬や力、愛情、友情を成功やお金に求めた人間は、不幸になってしまうんだ。
なぜなら、成功に行き着いたとき、そこに心の平安や幸せがないのに気づくからだ。」
だからこそ、自分の好きなことをやりなさいと。
幸福を、モノやサービスやお金に求めても意味はありません。
一瞬の快楽は得られますが、1か月後にはもとに戻ります。
「もっと!もっと!」が永遠とつみかさなっていくだけなんですよね。
分かるんだけど…でもやっぱりほしいモノ(野望)はある!
人間だもの、そんなにキレイでいられるわけじゃない。
健康な身体こそ、人当たりのいい性格こそ「幸福」の源!
自分の財産や地位なんて、幸せには結び付かない!
それはなんとなく分かってきました。
つまるところ「足るを知る」ってことですよね。
多く(お金とか肩書)を求めず、今あるもの(健康とか陽気さ)に意識を向けよう!ということです。
でも、こんなに豊かになった世の中で果たしてそこにとどまっていられるかどうか??
資本主義という欲望の渦の中で、自分の「こうありたい」という思いは断念せざるを得ないのでしょうか?
ここで、最近私が「へぇ~」と思った雑学を1つ。
「足るを知る」という言葉の意味は、「現状で満足しろ!」ではないらしいですよ。
びっくりですよね。
正確には「足るを知る者は富む 強めて行う者は志有り」。
意味は「満足することを知ってる人は豊かで、さらに努力する人は志がある」。
そう、私たちは自分の野望を追い続けてもいいみたいですね。
もちろん財産や肩書ではなくて、もっと気高い目標のことですが。
私には、恥ずかしくて言えない野望があります。
もっとチャレンジし続けたいなと思います。
幸福について考えること、けっこう楽しい
ショーペンハウアー『幸福について』
を何回か読んでみて思ったこと、抱いた感想などをまとめてみました。
「幸せ」と聞くと、どうしても煌びやかなイメージが頭に浮かびますが…
実際はそうとも言い切れず、もっと足元を見る感じです。
ただ、こんな世の中だからこそ響く言葉がたくさんありました。
継続してこの本から学び続けていきたいと思います!
100年以上も読み継がれている不朽の名作。
古典としての「幸福論」はいくつかありますが、その中でも代表的な読み物です。
ぜひショーペンハウアーの説く幸せについて、じっくりと考えてみてはいかがでしょうか。
注1)小林正観. 『なぜ、神様を信じる人は幸せなのか?』. イーストプレス. 2015年, 40P
注2)ショーペンハウアー.『幸福について』.光文社.2018年,30P
注3)本田健.『ユダヤ人大富豪の教え』.大和書房.2006年,33P
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