【スポーツジム】とある会員さんとの会話

とある日のお昼ころ…

 

女性

たくやきさん、体組成を測ってほしいんですけど、いいですか?

そう言って私のもとへやってきたのは、会員のKさん(60代女性)。

とても気さくな方で、よく世間話をする仲でもあります。

 

普段はスイミングがメインですが、週に1~2回くらいは筋トレをしにジムへもやってきます。

その日も、どれくらい筋肉がついたのか・どれくらい脂肪が落ちたのかを知るために、専用の機器での測定を依頼してきました。

 

わたし
わたし

あ、Kさん!こんにちは!測定ですね!準備するので待っててください~

Kさんは60代に入ってからスイミングを始めたみたいで、よく市で行われる成人の水泳記録会や大会にも参加しているみたい。

自己ベストを更新させるために、日々頑張っているんですよね。

 

筋肉をつけて少しでも腕や足が動くように、脂肪を減らして少しでも軽くなるように…

60歳を超えてもなお、頑張れることがあるって・・・なんだか素晴らしい…!

 

私の母親なんて、毎日ぽけ~っと韓流ドラマを見まくっているというのに…(それはそれで楽しんでいるみたいだからいいんですけど笑)

まったく、頭が上がりませんね。

 

わたし

よし!準備オッケー!Kさ~ん、どうぞ乗ってください!

女性
Kさん

体重減ってるといいわね~ふふふ~♪

準備が整うと、嬉々と測定器に乗るKさん。

トレーニングが充実しているのか、やけに自信満々(笑)

 

果たして結果はいかに…?身体によい変化はあるのだろうか?

こちらもドキドキしながら、測定が終わるのを待ちます。

 

2分後…

わたし

Kさん、結果表を印刷しましたよ!はいどうぞ!良い変化はありましたかね~?

結果票をじっと見つめるKさん。

 

女性
Kさん

う~ん、筋肉がなかなか増えないわね~

どうやら、あまり結果は思わしくなかったみたいです。

 

 

わたし

どれどれ、私にも見せていただいてよろしいですか?

Kさんは快く、結果表を見せてくれました。

 

わたし

うんうん、確かに前回と比べて筋肉は増えていないですね…。

わたし

そういえばKさん、最近ベンチプレスもやってるし、レッグプレス(足を鍛えるマシン)も頑張ってますよね?

そう、御年60を超えているKさんですが、なんと以前からベンチプレスに挑戦しているんです。

30kg~35kgを3セット(回数はバラバラ)、ジムにきたときには欠かさず行っているのを良く見ていました。

なんてパワフルな女性…!

 

でも、それくらい頑張っているのに…どうして筋肉量は増えないんだろう?

前回(1か月前)と比べて、これっぽっちも増えていないんですよ、筋肉が。

まぁ言ってしまえば、筋肉ってそんな簡単に増えるものではないんですけどね。

 

でもベンチプレスを始めたのって割と前からだし…そろそろ結果が出てきてもいいはずなんだけどなぁ。

 

女性
Kさん

そうなのよね~。足もね、重さをつけて結構回数やってるんだけど…全然効果がないみたいね~…

Kさんのトレーニング用紙を見せてもらいました。

 

そしたらびっくり!

 

わたし

え?!Kさんレッグプレス120kgやってるんですか?!

なんとも男勝り!

 

Kさんは身長も150cmくらいしかないし、かといって筋肉質な体型でもないのに…

まさかの100kgオーバーで筋トレ、しかも!回数も20回×6セットとか…!

 

女性
Kさん

そうよ~。でも結果が出ないってことは…まだ重さが足りないのかしらね~。

いやいや、ちょっと待て!さすがにちょっと無理がないか?

 

私だって、120kgは中々すんなり上がる重さでもないのに…ましてや60歳オーバーのKさんがそんなに安々上げられるとは思えないぞ…?!

 

女性
Kさん

それでね、足もね、腰幅でやって、次に広げてやって、その次は足の位置を上にずらして、そして今度は下にずらして…

わたし

おっ?おっ?おっ?

レッグプレスにそんな使い方があったっけかな…?

 

話を聞く内、Kさんのトレーニング方法になんだか疑問が湧いてきました。

 

ベンチプレスはいいとしても、足のトレーニングはもうちょっとシンプルにやってもいいはず。

フォームも気になるし…一度どんな感じでやっているのか見させてもらおうかな。

 

わたし

Kさん、今やっているトレーニングはしばらく続けてもらっていいんですけど、もし1か月後に変化がなければ、私がメニュー考えましょうか?

女性
Kさん

そうね!今のトレーニングはまだ始めたばっかりだから、ちょっと様子をみてからお願いしますかね!

基本的にトレーニングの仕方に”間違い”はありません。

ただKさんの場合は、フォームなども含めて、より最適な方法があったんじゃないかな。

 

より、スイミングでよい結果を出せるようにアドバイスできたらいいな…

そんなことを考えながらKさんと会話していました。

 

そして、トレーニングの話題がひと段落したタイミングで、Kさんがこう言いました。

女性
Kさん

たくやきさん、今日は話を聞いてくれてどうもありがとうございました!

 

わたし
わたし

いえいえ!(あっ)

私はふと気づく。

 

 

わたし

Kさんは別に何も困ってなんていなかったんだ!ただ話を聞いてほしかっただけなんだ!

今回は、話の流れでトレーニング指導をすることはありませんでした。

でも、実はこれが双方にとってベストな状況だったことは間違いありません。

 

Kさんは、話を聞いてくれるだけで満足だったんですよね。

トレーニングは自分なりに納得できる形を作っていたため、口を出さなくても良かったのです。

 

わたし

Kさん!今からトレーニング教えますね!

こんなことを言わなくて良かったと、ほっとしました。

 

我々ジムのスタッフは、会員さんのトレーニングをサポートするのが仕事です。

けど、だからといって会員さんがサポートを必要としているかどうかは別問題。

今回のように、ただ話をしたいだけの方だっているんですよね。

 

なんだか大切なことを学べたみたいです。

 

女性
Kさん

あ、そうそう!今日ね、漬物をもってきたんだけど…あげるわね!

なんと、たまたま持ってきていたという手作りの漬物をもらってしまいました。

話を聞いていただけなのに…なんてラッキー。

 

こうやって、私とKさんの時間が終わりを迎えました。

 

話を「聞く」ことも、ジムスタッフの立派な仕事。

私もまだまだ精進せねばな…

なんて、そう思った1日でした。

 

おわり

 

 

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