
○○課長に言ったら
絶対イヤな顔
されるじゃないですか!

どうして休んじゃ
いけないんですか!?
つとめ先、入社一年目の部下がグチをぶちまけました。
なんでも会社が定めた3連休に、+2日の有給休暇を希望していた部下。
ただ、それが難しいと知って怒りを覚えた様子でした。
サービス業だから、有給が取りにくいことは分かっていたようでしたが…
しかし、それでも納得いかなかったようです。
部下と話したあと…私もモヤモヤする中、1冊の本が頭をよぎりました。
アダム・グラント『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』
「有給が取れないのはおかしい!」
そう感じる新入社員に、どう教えればいいでしょうか。
有給は、わたしたちの権利である
まずは、部下の考えを肯定したい。
私は専門家ではないので、こうだ!と強く言うことはできません。
ただ、そんな私でも有給は労働者の権利であることは知っています。
繁忙期の”時季変更権“など例外はあるにせよ、原則、私たちは好きなときに有給を取れます。
休む理由も、本当は問われないはず。
だから、部下が怒るのは正しい。
会社は、部下に対して有給を認める必要があります。
有給を取らせないのは違法です。
また「有給は取れるよ!」と言いつつも、人手不足の中で働かせる会社もあります。
個人的にはいただけません。
従業員の中で「人手不足なのに有給なんて」という風潮ができるからです。
かつて、ホリエモンこと堀江貴文氏が
『99%の会社はいらない』という本を出しました。
内容は今回のテーマと関係ありませんが…
- 有給が取りづらく、社員の心理的安全を損なっている
- そもそも有給を取らせない
こういった会社が多いだろう現実を見ると…
たしかに99%の会社はいらないかもしれませんね。
とはいえ、グチって有給が取れるわけでもない。
これが現実です。
社会人を10年近くやってる私だって、悔しい。
サービス業も有給をもっとカンタンに使えるのがフツウだと思います。
だけど、サービス業である以上は受け入れるしかない。
手持ちのカードの中でやりくりするしか方法はありません。
それじゃあ、どうすればいいでしょうか?
手持ちのカードとはいったい何なのか。
そこで考えたいのが『GIVE & TAKE』

「与える人」こそ成功する
この本が何を言いたいのかは一目瞭然です。
与えること(GIVE)が、与える人(GIVER)が成功する、まさにそのまま。
つまり会社内の人たちの役に立ち、いい関係をつくること。
これが大切なんじゃないか?と思います。
会社のひとたちへのGIVEで「貸し」を作っておく
さらに戦略的に考えるなら、社内の人に「貸しを作る」のが手っとり早い。
これは私も経験があります。
いざ自分がお願いする立場になったとき、「いいよ!」と返してくれやすくなります。
小林正観さんによると…(注1)
頼まれごとがあるたびに、いつも「笑顔」でやり続けていると、実はそれは「貯金」になっていくのです。(中略)
「借り」は目に見えないものですし、数字にも出てきません。
しかし、絶対にイライラしたりとげとげしい態度をとらずに、快くやってあげていると、どんなに気性の荒い人でも、威張っている上司でも、それが「借り」になっていきます。
だそうです。
シフト制のお店で働いているなら、どんな「貸しを作る」ができるでしょうか?
- 体調の悪い人がいたら、シフトを代わる
- 進んで他の人に協力する
- 頼みごとを笑顔で引き受ける
日ごろの態度や、仕事の進め方もぬかりなく!
- 元気なあいさつや返事
- グチや文句をこぼしすぎない
- 上司に「これどうなってる?」と言われる前に報告する
- 何かあったら自分の考えといっしょに相談をする
世の中にはたくさんの会社があるので、これらが絶対とは言えません。
ですが、上記のような積極的なアクションは、忙しい上司にはありがたいものです。
部下のように、入社一年目なら気づきにくいでしょう。
一方、チームとして働く以上は「気づかい」がヒジョーに重宝するのは覚えておきたい。
無論「貸しを作りたいから」協力する、というのはただの下心。
これは注意しておきたいところです。
正論という名のエゴよりも、人とのつながりを。
前に部下が

私は○○課長の手伝いをしてるのに
課長は助けてくれないんです!
という口実のもとで

ギブアンドテイクの
「テイク」しかない!!
と、課長を評価していました。
しかし冒頭のとおり、部下は先日

有給が取れないなんて
おかしいです!
と怒りをあらわにしました。
たしかに有給が取れないのは問題だし、部下をディスるつもりもありません。
部下はたしかに正しい。
ただ瞬間的にも部下が、アダム氏の言うところの「テイカ―」になっているのは事実で。
(テイカー:自分の利益を優先する人)
そしてこうなってしまっては、周りがいい気がしません。
特に、シフト制のサービス業で働く人からしたら尚更ですよね。
「私は!私の有給は!」
と連呼する部下に、げんなりしてしまいました。
周りへのGIVEは、必ず自分に返ってくる
そう言えば、前に勤めていた会社のことを思い出しました。
お客様がケガをしやすいお店だったので、会社として保険の契約をしてたんですね。
ある日、その保険会社の方とお話をする機会があったんです。
何やらお客様がケガをしたとき、保険とは別に会社を訴訟するケースもいくつかあるらしく。
その対応とやらはひどくメンドクサイとのことでした。
「それを防ぐにはどうしたらいいんですか?」
とっさに質問したのは今でも覚えています。
担当の方はこう言ってました。

日ごろから、お客様との関係性を
良くしておくことが望ましいですね。
話の趣旨は違ってくるかもですが…言いたいことはなんとなく一緒。
自分が望まない結果(=有給取れない)を避けるために
周りの人へのGIVEを通じて、いい関係を保つこと。
これが大事なんですよね。
「え?でもそんなことしたら、いいように使われるだけじゃん!」
そんな風に思うでしょうか。
アダム氏は、GIVERをいいように使うテイカーは、マッチャー(損得のバランスを取る人)が許さない。
ということも言ってます。
なんだかんだうまくいくようになってるんですよね、きっと。
ともすると、すべてとは言えないにせよ、自分の望み(=有給を取る!)は実現しやすくなるのではないでしょうか。
有給が取れないのはおかしい!と怒る前に…
アダム・グラント『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』
部下の「有給が取れないのはおかしい!」怒りエピソードと絡めて紹介(?)してきました。
何度も言いますが、有給がすんなり取れることは前提条件。
本当は誰でも好きなときに休む権利があります。
でも、現実はそううまくはいかない。
だからこそ、周りへの気づかいができるGIVERになったほうがいいかも…
そんなススメです。
読者さまの有給事情はいかがですか?
ぜひコメント欄にて教えてくださいね!
注1)小林正観. 『こころの遊歩道』. イーストプレス. 2016年, 190P
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